
壁を這う本棚。
November 05 , 2014
N様邸に納めさせて頂いた本棚。幅2700mm、高さ3000mm。
「陰影が生まれる本棚をデザインして欲しい」とのご要望でした。
それに対しての自分の答えは、壁を這うような本棚でした。
教科書にあるような理想的な構造は、人間の手で作られる現場の矛盾をクリアできない場合もあり、それを解決する方法として、「欠落」させて他で補い合うということも考えています。
重力に逆らって上へ伸びる生体反応を、その欠落を使う事によって表現に結びつけています。
本を色々と飾ると、実がなるような楽しい感じになります。
自宅では感覚的に何時かを把握できると思い、あえて文字盤をなくしたスッキリとした時計をご提案させて頂きました。
また、扉の位置も全て意味があってこの位置になっています。
本棚にオイル仕上げ等は好ましくないので、ウレタン塗装を施しています。
この構造をフラッシュ家具ですると、しばらくしたらとんでもないことになりますが、無垢なので強度的にも安心です。
無垢の家具、木目が通っているなどの見た目、小さなお子様が手を挟まないソフトクローズの金具、機器を守る排熱や配線などの機能以外にも、その家具の背景を少しでも感じて頂ければ幸いです。
他に納めさせて頂いた家具も、またアップしていきます。
今日はお施主様にお食事に招いて頂きました。
本当に喜んで頂いて、とても嬉しく思いました。N様、T様、H様、D様、ありがとうございました。
これからも、よろしくお願い致します。